千葉工業大学 事例インタビュー

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学校法人千葉工業大学

1942年に設立された、現存する日本最古の私立理工系大学。「世界文化に技術で貢献する」という建学の精神のもと、未来ロボットや惑星探査、AI・地球資源など最先端の研究センターを多数有し、産官学連携による実践的学びを提供している。


導入の中心となられた人事担当の皆様に参加いただきました。

※掲載の内容は、すべてインタビュー日(2025年6月30日)時点の情報になります。

学生アルバイト管理の課題と解決への道筋

学生アルバイトの運用状況について教えてください

本学では、毎月500~800人程度学生がアルバイトに従事しており、その職種は多岐にわたります。最も多いのはTA(教育補助員)ですが、その他にもSA(学生サポーター)、就職支援アドバイザー、研究補助、学科別プログラムや式典の補助など、さまざまな部署で学生が活躍しています。現在はこれらすべてのアルバイトについて、Kinmuu上で勤怠管理を行っています。

Kinmuu導入以前はどのような運用体制だったのでしょうか

学生アルバイトの雇用管理は、原則として各担当部署が行っており、給与支払いの運用は大きく2つのパターンに分かれていました。1つ目は、勤怠データを人事担当へ提出し、人事給与システムと連携して給与を支給するケースです。この場合、各部署が勤怠データを取りまとめて提出するため、人事担当はデータを取り込むだけで済み、人事担当としての作業負担はそこまで大きくはありませんでした。しかし、データの内容まではチェックできないため、万が一ミスがあった場合の初動対応は人事担当では難しいという課題がありました。

2つ目は、紙の勤務表をもとに各担当部署が伝票処理を行い、支払いを行うケースです。このパターンでは、支払伝票を作成するのは各部署ですが、税額計算だけを人事担当が担っていました。案件が発生するたびに税金計算の依頼が入るため、人事担当の業務の連続性が分断されることが多く、業務効率が低下していました。また、依頼された案件を人事担当が別途Excelで管理し、月末にはその合計と会計システム上で処理されたものを紙ベースで照合するという、煩雑な作業が発生していました。さらに、年末調整のために後からデータを人事給与管理システムに入力し直す必要もあり、この作業に多くの時間を費やしていました。

勤務表
当時使用されていた勤務表サンプル

システム導入を検討されたきっかけはどのようなものだったのでしょうか

上記のような複雑な管理体制に加え、学生アルバイトが複数の雇用を掛け持ちすることで、新たな課題も生じていました。

例えば、ある学生が複数の部署でアルバイトをしている場合、それぞれの勤務表だけを見ると勤務時間や日数は問題ないように見えるのですが、複数の勤務を合計すると、1日の勤務時間が8時間を超えてしまったり、連続勤務日数が大幅に多くなってしまったりするケースがありました。また、勤務時間が重複しているにもかかわらず、別々の部署から勤怠が上がってくるなど、データの整合性が取れないという問題も発生していました。

これらの問題は、後から事実確認や修正作業を行うために、多くの時間と労力を要していました。特に、法令遵守の観点から、労働時間の上限や休憩時間の確保などは適切に管理する必要があり、各担当部署だけでなく、大学全体として適切な労務管理を行うことが急務となっていました。

こうした背景から、法令遵守の徹底と大学全体の業務効率向上を目指し、私たちは新たなシステムの導入を検討することになりました。

シンプルかつ十分な機能を有したKinmuu

どういった点を重視して探されたのですか

第一に、利用者が学生であるため、スマートフォンなどの端末で手軽に操作できることが挙げられます。また、導入に際しての設定が面倒でないこと、フラグやタグ付けによる外部資金を利用したアルバイトを識別できること、大学内の承認ルートや利用者のデータメンテナンスについて、データ取込の一括処理ができることなどを重視しました。

検討段階において、他大学の方々にもお話を聞く機会がありましたが、アルバイトの勤怠管理を既に自前で開発されている例もありました。本学では一からの独自開発は視野に入っておりませんでしたし、既にあるパッケージ型のシステムではカスタマイズ費用がかさむこともわかっておりましたので、クラウド型を検討するに至りました。

検討いただいた際のKinmuuの印象はいかがでしたか

他社と比べてコストがかからないという印象でした。年間で数十万円程度というコストは圧倒的に安く、機能面もシンプルに自分たちが求めているものが用意されていて好印象でした。学生アルバイトの勤怠管理に特化しているだけあって、重視していたポイントがすべて高い次元で実現されていたのも高評価でした。導入検討は半ばトップダウンではじまったこともあり、システム導入のための承認を得る過程は大きな苦労もなくスムーズに進みました。

データ整備と導入対応

お試し利用や本稼働するための準備で大変だったことはありますか

人事担当としては、本学でのデータの持ち方と、Kinmuu内のデータの持ち方の考え方に乖離があったため、その点に慣れることが必要でした。また、例えば外国籍の氏名の表記について、アルファベットやカタカナなどの表記揺れが発生するなどしたため、基幹システムのデータを正として運用するようにしました。

また、学内への周知においては、新システムの導入すること自体への反発や抵抗みたいなものはありませんでしたが、Kinmuuに対する期待値が各部署によって様々であったため、このシステムに期待すること、できること、できないこと、などをじっくり共有することで、学内の理解を得るように努めました。雇用データの準備等についても、導入時こそ人事担当でサンプルデータなどを用意しましたが、直感的な書式であることもあって、現在は各部署で準備およびデータ取込などを行っています。導入してしばらく経過しましたが、各部署からは重要な質問が寄せられたり、建設的な意見が出されるなど、運用をより良くするためのスパイラルアップを実感しています。

操作マニュアル
作成された操作マニュアル

学内のスタンダードとして着実に浸透

導入後の効果について教えてください

給与支払い業務のフローが統一されたことが大きな効果です。また、紙の勤務表で対応していた学生アルバイト分は、毎年の年末調整後に再年末調整をせざるを得ませんでしたが、その作業がなくなっただけでも業務負担はかなり下がったと言えます。また、持っているスマートフォンで対応でき、教員の印鑑をもらってあちらこちらに行く必要がなくなった学生側にも、恩恵があったのではないかと考えています。大学全体での本格稼働からまだ日は浅いですが、すでに毎日利用できるのが当然のもののように溶け込んでいると言っても過言ではありません。

学生や教員に期限を守ってもらうために工夫していることを教えてください

指定したタイミングでメールを送信できる自動送信メール機能を活用しています。加えて、TAについては担当部署および担当教員にも学生アルバイトの勤怠確定を気にかけてもらうようにすることで、色々な方面から学生アルバイト本人の意識付けを行うようにしています。

各部署の作業については、担当者と未承認の数を確認しながら並走しています。職員同士の距離が近いというのもありますが、目線合わせを適切に行い、各部署内での業務フローを適切に設計してもらえるようにコミュニケーションは密にとるようにしています。今後、慣れが進むことで全体の精度はさらに改善していくだろうと考えています。

紙からの移行を実現する最高の選択肢

Kinmuuをどういった大学にお勧めできそうか教えてください

今後を見越して紙からシステムへの移行をしたいという場合や、シンプルに勤怠データだけを取り出したいという場合にはとてもフィットすると思います。必要な機能は揃いながらも、画面も設定もシンプルで、導入に際しての費用や時間コストが小さいのも魅力です。


編集後記

はじめにお問い合わせいただいた際にはまだ独自システム開発とクラウド型(SaaS型)とを悩まれているようでした。デモンストレーションやその後のフォローを通じて、Kinmuuに十分な可能性を感じていただけたことはもちろん、今となっては空気のような不可欠な存在になれていることを嬉しく思います。同時に、毎日当たり前に利用できる安定性をこれからも維持していくべく、気持ちを引き締める次第です。

こちらのインタビュー依頼も快諾いただき、今までのやりとりでは知ることができなかった様々な背景をお伺いできる貴重な機会となりました。インタビューへのご協力、本当にありがとうございました。


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